国盗り物語

■放送期間:1973 (昭和48)年1〜12月
■原作:司馬遼太郎
■脚本:大野靖子
■出演者:平幹二朗 山本陽子 高橋英樹 近藤正臣
■見所:司馬遼太郎原作の第2作品。明智光秀の心のゆれがとても丁寧に作られている。

司馬遼太郎の同名小説『国盗り物語』を核に、司馬の『新史太閤記』『功名が辻』『尻啖え孫市』『梟の城』などを合わせて大野靖子が脚色した。
美濃一国を「盗る」ことに生涯を賭けた斎藤道三と、彼に後継者と目され共に天下統一に邁進しながらも、最期には本能寺で激突する織田信長と明智光秀の生き様をダイナミックに描いていく。
司馬作品をテレビドラマ化したものの代表作の一つ。
前作『新・平家物語』が大河ドラマ10周年にふさわしいベテラン俳優を中心とした豪華絢爛たるドラマであったのにくらべ、『国盗り物語』は、高橋英樹(信長)、近藤正臣(光秀)、火野正平(秀吉)、松坂慶子(濃姫)など20代中心の布陣であり、若々しさがみなぎっていた。
これは、当時のプロデューサーが放送前年に颯爽と首相に就任した田中角栄に織田信長の姿を見出し、そのあふれるエネルギーをドラマで表現したかったからだという。
原作は道三と信長の二人がリレー形式で主人公になっているが、ドラマはこの形式を踏襲しつつも実際の主役は信長となっている。
第1回は信長と濃姫の婚儀から始まり、その後道三の回想で京都御所に通う若き日の道三の場面に移る。
その後道三を中心に美濃一国簒奪の話が続き、第14回で再び婚儀の席に戻ってくるという構成。
ドラマはこの後、第18回で道三の死、第19回で信長の尾張統一、第20回で桶狭間の戦いへと移っていく。
信長役には当初藤岡弘が決っていたが、東映の『仮面ライダー』シリーズと重なったため高橋に役がまわった。
主役の高橋はこの信長役で一躍スターダムにのしあがる。
道三役の平幹二朗は、あまりの高橋信長の人気に「高橋英樹君の若さが羨ましかった」と述懐している。
二枚目俳優として女性に大きな人気があった近藤正臣は、本作の光秀で初の敵役を演じて芸域の広さをみせた。
また火野正平も初のシリアスなドラマ、初の時代劇、そして初の準主役級で秀吉を体当たりの熱演でこなして絶賛された。
本作は合戦シーンの撮影や舞台となった地域の放送当時の様子を撮影するためにフィルムを使用している。
前年の『新・平家物語』ではフィルム映像や放送当時の映像を入れてなかったので、この点でも前作との違いを際立たせている。
なお、物語の最後では岐阜城や信長の墓、そして観光客が天守閣にいる大坂城を映し、時代の変化を感じさせる終り方となっている。
平均視聴率22.4%。
最高視聴率29.9%。
初回視聴率27.5%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。
(Wikipediaより)

 
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