竜馬がゆく

■放送期間:1968(昭和43)年1〜12月
■原作:司馬遼太郎『竜馬がゆく』
■脚本:水木洋子
■出演者:北大路欣也 浅丘ルリ子 森光子 高橋英樹
■見所:NHKが初めて司馬遼太郎の小説を原作にした作品。竜馬に土佐弁を使わせるなど方言を取り入れたのもこの作品が初めてである。

前年の『三姉妹』に続く幕末ものであり、『独眼竜政宗』『武田信玄』以前では、同じ時代の作品が2年続いた唯一の例であった。
また、前年の大河ドラマの登場人物が主人公になった例としては、現在も唯一である。
大河ドラマとしては、最後のモノクロ作品である。
大河ドラマで初めて、短期ながら当地(高知)ロケが行われた作品でもある(1968年3月)。

このときの模様は『NHKグラフ』に掲載された北大路欣也の日記によると、次のとおりである。

「○月○日 先発のロケ隊とは別行動をとって大阪回りで松山へ。
午後二時からデパートの屋上でサイン会。
(中略) 夜十二時まで、演出の和田勉さんとロケのことや竜馬のことなどじっくり話し合う。
和田さんの言うように、これからの竜馬は、もっと輝きを持った太陽のような存在にしたいと思った」

映画出身の水木洋子が書く脚本はテンポが速いため、一話45分の大河の尺に収まらず、当初の演出担当である辻本一朗を悩ませた。
また、大阪出身である辻本と東京のスタッフが合わず、辻本が期待していた材木が小さかったなど制作上において齟齬をきたし、和田勉との交替劇が起きた。
和田は、とにかく出演者にセリフを早口でしゃべらせるなど、水木の脚本を45分の尺に収める様にして一連の危機を乗りきった。
主役の北大路欣也は、カーキチの趣味も辞めて役作りに打ち込み、杉野義男道場に通い北辰一刀流、三味線、一弦琴を習得した。

原作の司馬遼太郎は、役作りに没頭する北大路欣也を気に入り、ある対談の席で北大路本人に次のように言っている。

「ぼくが竜馬を書いたのは、生き生きとした青春を竜馬に感じたからなんです。
とにかく竜馬は男も女もほれる男ですよ。
その点あなたはどことなく竜馬に似ているし成功まちがいなしだ」

武市半平太役の高橋英樹は、この作品で初めて本格的な時代劇を経験、日活出身の高橋は当時、石原裕次郎などの同社所属スターが長脚揃いであったのにくらべて、「高橋君、きみは違うねえ」といわれたため時代劇に転向したという(本人談)。

オープニング映像は上空の雲海を撮影したもので、主題曲は間宮芳生のマーチ調のものである。
ただ、現在CDなどで聴くことができるテーマ曲と実際に放送されたものとでは、編曲が異なる。
また、オープニングの人物クレジットはゴシック体のみで表記されている(他の作品では手書きの文字か教科書体・明朝体などそれに近い字体が使われている)。

視聴率は低迷し、『花の乱』が最低記録を更新するまでの大河ドラマでは歴代最低であった。
また、本作では前作に引き続き放送回に副題がない。
(Wikipediaより)

 
スワップポイントが収益